先日、都市フォント構想について、お2人の精力的に都市に関わっている方々からご意見を賜わりました。

1人は東京理科大学の伊藤香織さんです。伊藤さんは東京理科大学での研究に加え、東京ピクニッククラブやシビックプライド研究会など、都市デザインの分野で精力的に活動をされています。伊藤さんからは都市デザインと視点から都市フォントがどのように都市空間において貢献が出来るかや、都市フォントの制作プロセス、制作後の都市フォントの運用や提供方法について様々な意見を賜りました。

もう1人は建築家の川西康之さんです。川西さんはフランス国鉄の都市設計部を経て、現在は日本で建築、都市デザインの分野で活動されています。タイププロジェクトとのはじめての接点は、約10年程前にさかのぼり、川西さんが肥薩おれんじ鉄道の駅名表示用サインを手掛けた際にAXIS Fontを使用していただいたのがきっかけです。川西さんからはご自身の経験に基づいて、日本の様々な都市や地域の実情、問題点、街作りの事例などを賜りました。また、街は人が育てていると同時に、街によって人も育てられているという、人と街が互いに影響を与えている事も教えていただきました。都市フォントはそのような人と街のコミュニケーションの中で、互いの影響度合いを高める、もしくは影響スピードを適切(加速、減速)にする役割を帯びていくのかもしれません。

普段、都市デザインというスケールの大きな分野で活動されているお2人とお話をさせていただいて全てではありませんが、包括的に都市フォントを考えるようになることが出来ました。

Hideyo Ryoken