前回に続き、横浜市内の文字調査をレポートします。後半となる今回は駅の案内サインを中心にレポートします。

1. 横浜駅連絡通路の案内サイン。和文には新ゴ、欧文にはRotis(混植用の欧文はHelvetica)が使われている。

2. 京急線の出発時刻案内。和文には新ゴ、欧文にはHelveticaが使われている。

3. 横浜市営地下鉄の案内サイン。和文にはナウ、欧文には Corinthianが使われている。CorinthianはJohnston sansやGill sansと同じ系譜の書体。

4. みなとみらい線は駅ごとに建築様式を分け、それに歩調を合わせる形で書体も振り分けている。基本書体は和文に新ゴ、欧文にRotisだが、馬車道駅では和文にリュウミン、欧文にBodoniを使用している。

横浜市営地下鉄に使われている欧文書体にはすこし驚きました。横浜市にある他の鉄道を見てもHelveticaやFrutiger、Rotisといったどちらかというと無機質な書体が選ばれているのに対し、どこか人間味が感じられる書体、Corinthianが使われているからです。書体だけで比べてみると横浜市営地下鉄が他の鉄道に比べて強い個性を放っているように感じられました。

Hideyo Ryoken